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 電力




下津深江発電所跡 天草市天草町下田北轟公園
下津深江発電所跡

 昔、この場所には、下津深江川の水力を利用した発電所がありました。温泉の街下津深江村(現在の下田)に、早く電灯をともし、街を活気づかせたいという村人の願いを聞いた松本久太郎氏(当時の北天草電灯会社社長)が、村人と協力し、一年半のさい月をかけてつくった水力発電所です。
 出力は100キロワット、かかった工費は10万円(現在の3億円ぐらい)、完成したのは、大正11年(1922)のことです。
 発電のしかたは、福連木の『すげのはら』と支流『したやま』から水をとりいれ、コンクリートの管をしいての送水発電でした。
 発電所が完成すると、下田の街は電灯がともり明るくなりました。そして、遠くからもお客さんが大勢やってきて、にぎわったとのことです。発電した電気は、下津深江村だけでなく、ほかの村(富岡、志岐、坂瀬川、二江)などにも供給されました。
 その後、この小さな下田の発電所は、街を大いに活気づかせた後、電力不足のため昭和17年、九州電力に合ぺいされ、2年後には廃止されることとなります。
 今は、『すげのはら』にあるコンクリートの送水管が当時のおもかげを残しているだけです。
 
※私たちは、下津深江発電所のことを調べて、ここに記念碑をたてました。
  天草町下田北小学校 4年
     豊田幸毅
     堀田未央
     津田里樹
     高見英理
     嶋田 葵
     倉田美奈
     田中恵美

  平成13年12月10日
  天草町教育委員会




 《註》100kwは現在の一般家庭の約40戸分であろうか。

水力発電所送水管 天草町福連木菅ノ原トンネル近く


水力発電所送水管

 水力発電所は下津深江(現下田北轟)に大正11年3月完成した。下津深江川の中流福連木菅原とその支流下山川の下田北下山の二地点から取水、下津深江地域に電力供給を開始した
 。当時、電力供給は温泉の街としての住民の宿願であり、北天草電気株式会社松本久太郎社長と住民連の努力が結実した施設である。その後、富岡・志岐・坂瀬川・二江等の地域にも供給したが、昭和26年に解体され、現在では約800mにわたり送水用コンクリート管が残されている。
 
 平成14年3月
 天草町教育委員会



電灯架設記念碑 苓北町都呂々木場
苓北町都呂々にある電灯架設記念日
 昭和29年2月の年月が刻んである。

電灯架設記念碑 天草市天草町福連木
昭和27年9月建立
裏に碑文が刻んであるが、判読しがたい文字もある。

電灯架設記念碑 天草市枦宇土町
昭和21年5月 建立

 電柱10本を寄付した人など、地区民総出で電灯架設をした様子がうかがえる。
 また、工事者の名前まで掘り込んである。

天草市天草町 高浜西平地区
昭和13年4月 架設

  特別工事金1480円 及び特別寄付者が数名刻字してある。

天草市下浦町 湯貫地区
動力線(三相)架設記念  昭和48年4月