百貫石と滝の入り口 |
天草市本町平床地区に百貫石と呼ばれる巨石がある。その石は百貫様と呼ばれ地元の氏神さまとなっている。 日本人は八百万の神というように、何でも神様にするが、巨石などは神様にするにはもってこいの素材だろう。 案内板にもあるように、市道から川沿いに杉木立の中の小道を辿っていくと10分もかからず到着する。 なるほど大きい。石の天辺には小さな祠を祭ってある |
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案内板より 百貫様の伝説 天草市本町平床 平床川の源流、通称ゲダの里に苔むした杉小立の中、百貫石と云う巨大な一個の石が有り、その頂点に慶応の御代より春日大明神をお祀りしてあります。 子供のひきつけには凄い力の霊験があると言われております。 其の百貫石の下に昔から金の鳥が棲んでいて、一年に一度大晦日の夜更けに、石の下より出て羽ばたき水浴をすると言い伝えられております。 その水を飲むと長寿を保つことができるそうで、今から60年位前(1930年)までは、金の鳥の霊験にあやかりたいと、一家の主人が元旦の明け方、まだうす暗い内に必ず平床川源流の水を汲み、お茶を沸かし神棚に供え、家族全員でいただき一年間の無病息災を祈願したものでございます。 現在では、毎年4月8日に、平床地区の区長さんをはじめ地区民や各地からの参詣者も多く境内一ぱいにぎやかな祭りがなされています。 平成5年11月 平床自治公民館 |
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さて、ここで引き返してはならない。この石の奥に滝があるからだ。このところ雨が降らず水が少ない。入り口付近はそこそこ流れていたが、だんだん水が少なくなり、ついにまったく流れがなくなった。それでも滝に近づくと、水の音が聞こえてきた。 滝は垂直な壁のようで、高さは10メーターぐらいだろうか。大水の時は迫力があるだろうと思いながら見上げる。 ところで、ここで珍しい植物を二つ見つけた。ひとつはヘゴ。天草に一箇所しか存在しないという河浦町女岳のヘゴを別のページで紹介しているが、たぶんこれと同類ではないだろうか。植物に詳しくないので確かなことは言えないが・・・ ここのヘゴはもちろん女岳のように大きくはないが、それらしき形は似ている。 もうひとつはかずら。かずらはどこにでもあり別に珍しくないが、ここのかずらは気根というのだろうか、根を空中から長く垂らしている。気根といえばガジュマロが有名だが、ここの気根も面白い。ここは湿度も十分あり、杉木立の中なので、そんなに気張って空中までも根を垂らすことはないと思うのだが、植物の不思議だ。 森林浴は健康にいいというが、ここは天草でもちょっと変わったというか、ちょっと違った雰囲気を楽しめるところだ。 |
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