千元森岳 233m 上天草市松島町合津
千巌山からさらに奥に進むと県立天草青年の家がある。
青年の家250mぐらい手前の三叉路を右に下りると西目海水浴場がある。
千元森岳に登るには、青年の家構内を通らなければならない。本館横を通って、雨天体育館(屋根付運動場)脇、キャンプ場内経由で山径に入る。ここら一帯は青年の家の庭みたいなもので、研修に使われているのだろう。道は踏み固められ、あちこちに道が通じているようだ。しかし、標識があるので迷うことはない。すぐに急坂となる。大小の岩が露出し、その岩の上を歩く。松島だけに松がたくさん生えている。近年、この松島でも松くい虫による枯れ松が目立っているが、まだ、ここの松は健気に生きている。
山頂付近は屹立している。山頂も岩でできており、まるで岩を乗っけたようだ。頂上の岩は突き出しており、落ちないように気をつける必要がある。
眺望はよい。360度見渡せる。千巌山より約70mも高いので、はるかに遠くまで見渡せるはずだ。というのも登った日は春霞がかかっており、雲仙岳がぼんやり霞んでいた。すぐ下に青年の家があり、その先に千巌山、さらに天草松島の絶景がひろがる。以前島伝いに送電鉄塔があったが、今は撤去されすっきりした風景が広がる。さらに目を左に転ずれば、有明海、野母崎半島、老岳の先に下島・本渡方面が見える。すっきりと晴れた日は、海がきらきらと輝いて美しいはずだ。松島の反対側には太郎丸岳・次郎丸岳や観海アルプスの山々が見える。
天草の山は、海が見えるからいいと言った人がいた。なるほど内陸の山と違って、海が見えると、開放感が何倍も違うような気がする。
帰りはもと来た道でなく、迂回するような形になる。今、登ってきた道は、急なので降りるとき危ないということで別の道が作ってあるようだ。このコースはもうせん苔コースという。途中にもうせん苔の紹介板が建っている。もうせん苔は1センチくらいの食虫植物だそうだ。取ろうと思って、いや撮ろうと思って、探したけれどそれらしいのを見つけることができなかった。冬の間は枯れているのだろうか。
どんなにゆっくり歩いても下山まで1時間はかからない。千巌山と組合わせて登っても、疲れることもない山だ。