十五社宮 天草市亀場町亀川
天草には、十五社宮という里の神社が各地にある。この神社は天草独自のものという。
次の案内文は天草市亀場町亀川にある十五社宮のものである。
祭神は神武天皇の御子建磐立命を中心に その后 ご両親 その他近親の神々十二柱と 天照大神 応神天皇 天児屋根命の三柱の計十五柱をまつる。 創立は明治7年9月8日 例祭は10月7日 亀川の清き流れのほとり 十万山を正面に望むところに石祠を作ってご神体をお祀りしていたが 昭和13年 社殿を新築して現在に至る。 神社庁に登録されている天草神々の神社の数は、142社でその中十五社宮はその半数の64社に及ぶ。 これは菊池氏が天草を収める時、天草の各地に十五社宮を建立したものとおもわれる。 熊本県下では、天草にだけ十五社宮が祀られており、阿蘇神社と祭神は同じである。 |
「本渡市史」 発行本渡市 本渡市史編さん委員会編 平成3年12月20日発行では、十五社宮を次のように説明してある。(p468)
天草独自の十五社宮は、海に生きた原住民、すなわち古代天草の海人族が信仰を寄せた還シナ海文化圏につながる龍(神)宮が「ジュクサさま」「ジュウゴさま」と転訛していたものに「十五社」の漢字をあて、いつしか天照大御神や阿蘇十二神をふくむ大和朝廷文化圏の神々十五社をあてて併祀したものらしい。この十五社は、戦国時代まで天草郡に属していた薩摩の獅子島、長島、それに江戸時代まで天草と海上交易が盛んだった肥後の高橋や松合にもある。
以上のことと同じことが「天正の天草合戦誌」天草歴史文化遺産の会編にも書いてある。(P51 概観 中世の天草 北野典夫)